鹿児島の茶商の仕事とは?~鹿児島茶市場から仕上げ加工、袋詰めまで~

製造方法

茶商のお眼鏡にかなった荒茶たちは、茶市場から離れ、最終加工されていきます。そうした茶葉を「仕上げ茶」といいますが、仕上げ茶が私たちの元へ届くまでを詳しく調べてみましょう。

お茶の仕上げ加工

収獲された茶葉は、荒茶という状態に加工され、茶市場へ出荷されます。荒茶の水分量は4~6%が最適とされており、茶葉の美味しさ、見た目を損なわずに届けられる、ギリギリの量なんだとか。

ですが、これはあくまで「荒茶」としての話。一般的に私たちが普段飲むお茶としては不十分です。茶商が仕入れた荒茶は、次に仕上げ加工されていきます。

仕上げ加工①選別

荒茶は、茶葉の大きさや形が不ぞろいです。大きな葉、小さな葉、加工工程で砕けてしまった葉、茎の部分などが混じっているため、ふるいにかけるのです。ほとんどが「本茶」と呼ばれ、煎茶に加工されていきますが、残った部分は「出物」と呼ばれ、ほうじ茶や茎茶、粉茶などに加工されます。

仕上げ加工②火入れ

「火入れ」とは、茶葉を高温で熱処理する工程のこと。荒茶からよい香りを引き出し、渋味・苦味を消し、うま味・甘味を引き出すことができます。ここまで来ると、水分量は4%未満。私たちがいつも飲む緑茶に、色も香りも、味わいもずいぶん近づいてきましたね。

ところで、生の茶葉を荒茶に加工するときは「乾燥」という工程がありますが、火入れとの違いはなんでしょうか?…それは温度。荒茶の乾燥では、茶葉を80度以下に保っていますが、仕上げ茶の火入れでは、90度~130度になります。「煎る」「炒る」という表現がピッタリですね。

荒茶に火入れを行うのは「茶師」と呼ばれる専門の職人さん。その日の気温や湿度を見極め、それぞれの荒茶が一番おいしくなる火力を見極め、茶葉を仕上げていくのです。同じ荒茶でも、茶師の裁量によって、違った仕上げ茶が出来上がるんですって!緑茶の世界って、本当に奥が深いですね。

お茶屋さんによっては、お客様から注文を受けてから火入れをするところもありますよ。

※荒茶を仕上げ茶に加工するときは、火入れを先に行う「先火方式」と、先に選別を行う「後火方式」があります。鹿児島県内では後火方式が多いようですが、それぞれのお茶屋さんによっても異なります。

仕上げ加工③合組(ごうぐみ)

合組とはブレンドのこと。火入れした茶葉を商品として完成させていきます。たくさんある「ゆたかみどり」「さえみどり」「あさつゆ」…などの鹿児島茶を、お客様の好みや流行に合わせてブレンドするのです。

それぞれの品種には個性があり、香りや味わい、色が違います。その年の気候や雨量などの条件で、茶葉の出来も違ってきます。これらを上手に組み合わせる合組のプロを茶師と呼ぶことも。

お茶の世界には、お茶を鑑定する茶師、火入れ専門の茶師、合組専門の茶師、これらをマルチにこなす茶師など、いろんなプロがいます。たくさんのプロの手を経て、お茶の旅はとうとうクライマックスを迎えます。

袋詰め

合組が済んだ茶葉は、機械で袋詰めされていきます。真空包装や、窒素充填包装、脱酸素包装など、いろんな方法で美味しさを保たれた緑茶が完成です!お茶屋さんをはじめ小売店へと出荷されていきます。

茶畑で芽吹いてから、茶葉は長~い工程を経て、私たちの食卓へやってきました。いかに美味しく、新鮮に、安全・安心に届けるか、たくさんの人々の知恵と工夫がギッシリ詰まっていましたね!

茶葉の旅、最後までお付き合いいただきありがとうございました!いつものお茶がさらにおいしく感じますね♪

そもそもの茶畑からお茶ができるまでから知りたい方はこちらから♪

\あわせて読みたい記事はこちら/

タイトルとURLをコピーしました