緑茶の成分テアニンとは?お茶をのんでリラックスするわけ

コラム

お茶を飲んだときに「おいしい!」と感じたりリラックスするのは、一体どうしてでしょうか?その秘密は「テアニン」にあります。テアニンとは、うま味成分のひとつで、緑茶に多く含まれるものです。テアニンについて詳しくせまります!

緑茶の成分テアニンとは?

テアニンとはお茶に含まれるアミノ酸の一種。お茶のほかにはヨーロッパに生息するキノコの一種にしか見つかっておらず、「お茶特有の」と言って差し支えないくらいの成分です。

お茶の木はツバキ科の常緑樹に分類されますが、遺伝的に近いツバキやサザンカなどにも、テアニンは含まれません。お茶だけが持っているうま味成分なんて…なんだか不思議ですね。

テアニンは、お茶の木の根で作られ、幹を通って葉に蓄えられます。このテアニンに日光があたるとカテキンに変化しますが、このカテキンは渋味成分のひとつ。そのためうま味成分をたっぷり含ませるよう、日光をさえぎる「かぶせ茶」が生まれました。

うまみ成分とは?

「日本人は7つの味覚を持っている」なんて聞いたことはありませんか?甘味・苦味・辛味・酸味・塩味の基本味に加え、渋味・旨味の味覚を敏感に感じることができるんだとか。

その渋味・旨味を両方ともバランスよく含んでいるのが、緑茶ですよね。緑茶に多く含まれるのはテアニンですが、うま味成分には他にもいくつかの種類があります。

  • グルタミン酸…こんぶ、味噌・醤油、チーズなどに多く含まれるうま味成分
  • イノシン酸…鶏肉、牛肉、かつお節など
  • グアニル酸…干ししいたけなど
  • アスパラギン酸…アスパラガス、アボカドなど
  • キサンチル酸…酵母、イーストなど
  • コハク酸…牡蠣、貝類など
  • テアニン…茶など

お茶にはテアニンのほかに、グルタミン酸、アスパラギン酸、アルギニン、セリン、ギャバなどのアミノ酸が含まれます。そのうち半分以上の割合を占めるのがテアニン。

ほかにもポリフェノールやビタミンC、E、ベータカロチン、食物繊維など…いくつもの成分が複雑にからみあって、お茶のおいしさを構成しているんですよ。自然が生んだ奇跡のおいしさ…ということになりますね!

アミノ酸とは?

アミノ酸って、よく聞く言葉ではありますが、一体なにか、ご存知でしょうか?アミノ酸とは、私たちのからだを作る成分のひとつ。いくつかのアミノ酸が結びついてできているのが、たんぱく質なのです。

肉、魚、乳製品、大豆製品などに含まれるたんぱく質も、アミノ酸が結びついてできたものです。地球上には500種類ものアミノ酸が存在しますが、人間の体は20種類のアミノ酸で構成されているんだとか。たんぱく質やアミノ酸が不足すると、人間は健康や美容に影響が出てきてしまいます。

お茶に多く含まれるテアニンは、美味しさの元というだけでなく、元気な体にも重要な成分なんですね!

テアニンの主な効果・効能

テアニンはうま味・甘味成分のモトで、おいしい!というだけでなく、体によい効能をたくさん持っています。テアニンが体に入ると、いったいなにが起こるのでしょうか?

①リラックス作用

テアニンは、脳の神経を保護するはたらきを持ちます。つまりは神経を刺激から守り、リラックスさせるはたらき作用がある、ということ!そのため脈拍数や血圧の上昇をおさえるはたらきもあるんです。

お茶といえば、カフェインを含んでいることでも知られます。テアニンとカフェインの相乗効果で、気分がよくなったり、記憶力が増加したり、といった報告も。うつ、PTSD(心的外傷後ストレス障害)、PMS(月経前症候群)、認知症などの症状を改善するほどなんです!

こういった効果をもとめて、欧米ではテアニンがサプリメントとして知られています。日本でもテアニンを多く含む機能性表示食品がありますね。日々の生活に上手にテアニンを取り入れて、ストレスフリーな毎日を過ごしましょう!

②免疫アップ

テアニンが免疫力を高める、という研究報告も出ています。比較対象としてコーヒーを毎日飲むグループと、お茶を毎日飲むグループとに分けたところ、お茶グループはコーヒーグループの5倍も免疫機能が高まっていたんだとか。

緑茶の中では「エピガロカテキン」をたくさん含むゆたかみどりもよく知られていますね。エピガロカテキンは花粉症にも効果があるといわれる成分。お茶で美味しく健康になれるなんて、すばらしい!

③冷え予防

テアニンが体に入ると、血管の収縮がおさえられ、血行が良くなるという試験結果があります。これは、テアニンのリラックス作用によるもの。ストレス状態にあると、血管が収縮し、血の巡りが悪くなってしまうのです。

しかしテアニンでリラックスし、血行がよくなると、次第に体がぽかぽかとあったまってきます。心も体もほっと一息、いいですね♪

④安眠

テアニンが持つリラックス作用により、寝つきがよくなる、という研究報告もあるんですよ。しかも起きたときにリフレッシュした感じがするんだとか!

とはいえ、カフェインが心配な人も多いのではないでしょうか?でも大丈夫!コーヒーのカフェインと異なり、お茶のカフェインははたらきが鈍いのです。実はこれもテアニンのはたらきによるもの。

テアニンにはカフェインの興奮を抑えるはたらきがあり、お茶のカフェインを適度な強さに和らげてくれるんですね。ぜひ寝る前に一杯、試してみてください。 ホットミルクと合わせてラテとして楽しむのもおすすめ!

⑤活動効率アップ&疲労軽減

テアニンは疲労を軽減するはたらきも持っています。先に挙げたリラックス効果や免疫アップ、冷え予防などのはたらきが重なり、体が疲れにくくなるのです。さらに、緑茶にはカフェインやアルギニンがふくまれています。

カフェインには脂肪をエネルギーに変換するはたらきがあり、運動能力が向上します。アルギニンには、活動中に生成される老廃物(アンモニア)を、体外へ排出しやすくするはたらきが。テアニン・カフェイン・アルギニンの合体パワーで、体が疲れにくくなり、家事やお仕事など毎日の作業効率を高めてくれるんですね!

テアニンを多く含むお茶とは?

テアニンを多く含むお茶は美味しい!体にいい!ということになりますが、どんなお茶にテアニンが多く含まれるのでしょうか。それは新茶の時期に収穫された緑茶です。初期の若い芽ほどたくさんのテアニンをふくみ、成熟した古い芽ほど少なくなります。

ウーロン茶や紅茶にはテアニンは少なく、煎茶の中でも玉露やかぶせ茶、抹茶など、一定期間、日光をさえぎって育てたお茶もテアニンを多く含みます。

すすむ屋茶店で取り扱っているお茶の多くはかぶせ茶です。しかもすべてが一番茶!つまりテアニンたっぷりです。うま味成分だけでなく、茶葉の個性をふんだんに盛り込んだ色んなお茶を紹介していますので、ぜひチェックしてみてくださいね。

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