2月6日は何の日か知っていますか?答えは「抹茶の日」です!これは、茶道で使われている「風炉(ふろ)」という道具からきています。
厳しい寒さが続く2月。抹茶は体を温めながら心を落ち着かせるのにピッタリの飲み物ではないでしょうか。抹茶の日について、詳しく調べました!
抹茶の日とは?
抹茶と言えば、茶室で正座していただく「茶道」をイメージする方も多いのではないでしょうか?抹茶の日が2月6日と決められたのは、茶道の道具「風炉(ふろ)」にちなんだもの。「ふ(2)」「ろ(6)」のごろ合わせです。
抹茶の日が制定されたのは1992(平成4)年。この年、愛知県西尾市では「西尾茶」120年を迎えました。それを記念に、ますますの販路拡大を目的として、抹茶の日が定められたのです。
風炉とは?
茶道で抹茶を点てるとき、茶室の中央でお湯を沸かします。このときに使われるのが風炉です。みなさんも一度は見たことがあるのではないでしょうか?
茶室の中央は、正方形に畳が切り抜かれており、風炉を設置するためのスペースが設けられていることも多いです。風炉の上に乗せる釜(鍋)が風炉釜(ふろがま)です。
茶道ではお湯を沸かすための火を入れる道具として一般的ですが、古くは「火鉢」として、暖をとるのに使われたほか、料理を作るときの火としても使われていました。
西尾茶とは?
西尾茶(にしおちゃ)とは、愛知県西尾市・安城市で生産されるお茶をいいます。西尾茶のほとんどは抹茶に加工されており、濃い緑色の茶葉、上品な香り、うまみとコクが人気です。
西尾茶の生産が盛んになったのは、1872(明治5)年ころ。京都の宇治から抹茶の製法が伝わり、1884年ころには茶園の開墾が進むなど、各地にお茶生産が広まりました。昭和10年代に入ると、抹茶へ加工する機械ができるなど、生産量が大幅にアップします。
西尾茶は現在、抹茶アイスクリームをはじめとする加工食品によく使われており、茶道でいう抹茶としてだけではなく、新たな抹茶の楽しみ方を広げたお茶でもあります。現在では抹茶初の地域ブランドとなりました。
抹茶とは?
みなさんは、抹茶って何なのか、考えたことはありますか?「煎茶の茶葉を粉々にしたものかな?」と思っている人もいるのではないでしょうか。結論から言うとそれは違います。抹茶は「碾茶(てんちゃ)」の茶葉を粉々にしたもの。碾茶は、そもそも煎茶とは製法が違うのです。
碾茶とは?
碾茶とは、収穫前の20日以上前から日光を遮断したものを言います。一方、煎茶を作るときは日光を遮断しません。
お茶の木は、日光を浴びることでたくさんのカテキンを生成しますが、日光を遮断する碾茶には、カテキンがふくまれません。その反面、テアニンという成分が多くふくまれています。
テアニンとはうま味・甘味成分の一種で、リラックス作用があることが知られています。テアニンをたくさんふくむ抹茶を飲むことで、よく眠れたり、気分が晴れやかになったり、集中力を高める効果が期待ができるんですよ。
濃茶と薄茶
抹茶には「濃茶(こいちゃ)」と「薄茶(うすちゃ)」があります。濃茶の方が色が濃く、深い緑色で、薄茶の方が明るくて鮮やかな青緑色~黄緑色です。
茶道の流派の違いや、点てるお茶の種類によって使われる抹茶の種類が違いますが、実は濃茶・薄茶の違いははっきりしていません。どちらかと言うと高価な方が濃茶で、樹齢ウン十年といった古木から取れる茶葉を使ったり、より甘味・うま味が少なく、渋味・苦味の少ない茶葉を使うことがあるようです。
なお、抹茶を「点てる」という時には薄茶の場合がほとんど。濃茶を使うお茶では「練る」と言います。
英語でもmatcha
初期の抹茶は中国から伝わったものですが、アイスクリームなどの加工食品として利用されるようになったのは、日本が初めてです。抹茶アイスクリームが世界に広がるにつれ、日本語の発音がそのまま英語でも使われるようになりました。海外でも「matcha」と呼ばれています。
抹茶の日のイベント
2月6日の抹茶の日が近くなると、全国のお菓子屋さんでは新作の抹茶スイーツが登場したり、大手菓子メーカーやコンビニでも、新商品を売り出すなどの動きがあります。
西尾市では「西尾の抹茶の日&にしお産業物産フェア」を行い、抹茶工場の見学ツアーや抹茶づくり体験、抹茶無料サービスなどを実施。この日しか買えない限定の抹茶商品や、地元の特産品が販売されるなど、毎年人気のイベントです。中でも人気なのは「抹茶わたあめ」だそうですよ!
抹茶の美味しい飲み方
抹茶というと「難しそう」というイメージがある方も多いのではないでしょうか?しかし、やってみると意外にもカンタン!抹茶を飲むためのお茶碗と茶筅(ちゃせん)を用意して、さっそく挑戦してみましょう!
濃茶の練り方
1回分の濃茶は約4グラム。茶杓で3~4杯か、大さじ1杯程度です。まずはお茶碗に濃茶を出しましょう。
次にお湯を注ぎます。お湯の量は15cc、大さじ1杯程度です。お茶というより、ドロッとして、まるでカレーのルーのようになってしまった…という方、OKです。それが正解!さあ、ぐいっと飲んでみましょう!濃茶の豊かなコクとうま味・甘味を感じることができますよ。
薄茶の点て方
1回分の薄茶は、茶杓で1.5~2杯分程度。だいたいティースプーン1杯程度です。お茶碗に薄茶を入れたら、60ccのお湯を注ぎます。茶筅を上下に振るようにすると、きれいな泡を立てることができますよ。
茶筅がないという方は、スプーンで混ぜたり、泡立て器で代用してもOK。そんなに堅苦しく考える必要はありません。自分が美味しいと思う楽しみ方でいいんです!もちろん、手作りスイーツに使うのもいいですね。2月6日の抹茶の日には、ぜひのんびりと抹茶を楽しんでください!