八十八夜とは?茶つみの歌にある夏も近づく八十八夜っていつのこと?

コラム

童謡「茶つみ」で『夏も近づく八十八夜(中略)あれに見えるは茶つみじゃないか~♪』と、歌われています。

「八十八夜」とはいつのことか、知っていますか?それはまさに初夏を目前に控えた茶つみの季節。八十八夜について、詳しく解説します。

八十八夜とはいつのこと?

八十八夜は、立春(節分の翌日)から数えて88日目のこと。2020年はうるう年なので5月1日(金)が八十八夜ですが、それ以外の年だと5月2日になります。

観測旧暦(太陰暦)のころは立春が元日であり、新年の始まりだったんだとか。今でもお正月のことを「新春」というのはこの名残ですね。立春・立冬・大寒…などを二十四節気という一方、八十八夜は「雑節(ざっせつ)」といいます。昔の人は、二十四節気や雑節を参考にして、季節を把握していたんですね。

雑節(ざっせつ)とは?

節分、彼岸、八十八夜、土用…これらはみな雑節のなかま。どこかで聞いたことがあるものばかりですね。

いっぽう二十四節気には春分、夏至、冬至などが含まれます。一年間を均等に24個の季節にわけたもので、中国の暦に基づいたものだったんだとか。しかし日本の四季は当然、中国の四季とは異なります。この差を埋めるために考案されたのが雑節です。

八十八夜は「遅霜(おそじも)」が発生する時期と言われます。あたたかくなって目を出し始めた農作物が、時季外れの霜によってダメになってしまうことがあるのです。これを避けるために「八十八夜」が言われるようになったんだとか。

遅霜には注意が必要ですが、八十八夜には春の温かい日差しを受け、ビタミンやミネラルをたっぷり含んだ新芽が出ています。昔は「八十八夜につんだお茶を飲むと長生きする」と言われたそうですよ。

現在は遅霜を回避するため「遅霜予報」があるんだとか。時代は変われど、八十八夜の精神は今に受け継がれています。

童謡「茶つみ」あれこれ

小学校の教科書に載るほど有名な「茶つみ」は、作詞・作曲者不詳の歌。由緒については諸説ありますが、京都の民謡を基にして作られた、と伝わります。茶つみの中に「あかねだすきにすげの笠」という一説がありますが、一体どういうことでしょうか?

茶つみといえば手作業が一般的でしたが、どうしても生傷が絶えません。茜(あかね)には止血効果があるので、たすきに茜を塗り込んで、茶つみの際に使用していました。

また八十八夜といえば初夏を目前に控え、日差しが強くなってくるころ。軽くて風通しの良い菅(スゲ)の葉で編んだ笠なら、長時間の茶つみ作業に耐えられます。水にも強いので、急な雨にも心配なし。茶つみがいかに日常的で、人々の生活に近いものであったか、よくわかりますね。

いわゆる新茶がとれる日が八十八夜ですが、実は各地によって新茶のとれる時期って少し違うのです。

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