お茶は茶筒で保存しよう!茶筒の選び方と正しい使い方を解説!

コラム

茶筒(ちゃづつ)は、茶葉を保存するための円柱状の容器です。ブリキや銅、真ちゅうなどの薄い金属を加工したものが多く、中蓋がついていたり、外側に和紙を貼ってあるものなど、たくさんの種類があります。

茶筒の歴史は意外にも新しく、江戸後期に煎茶が誕生してからと推察されます。明治期に入り、ブリキの丸缶が日本へ入ってきたことから、茶筒への応用が試みられたようです。

ところで、茶筒の正しい使い方って、ご存知ですか?茶筒の正しい使い方や、選び方について解説します。あなたにピッタリの茶筒で美味しいお茶を楽しみましょう!

茶筒の選び方

密閉できる茶筒を選ぼう

茶筒は、茶葉を保管するための道具。密閉率の高い茶筒を選ぶのがおすすめです。なぜなら、茶葉は空気に触れると劣化し、香りや味が落ちてしまうから。

フタがきちんと閉まるもの、中フタがあるもの、ゴムパッキンがついているもの、職人による手作りの逸品などがおすすめです。茶筒の中には、フタの重みで自動的にフタが下がり、中の空気を押し出しながら密閉してくれるものも。日本のワザってすごいですよね!

茶筒の容量を決めよう

茶筒を選ぶとき、もうひとつ重要なのは大きさ(容量)。開封した茶葉は1か月程度で飲み切るのがおすすめですので、1か月で飲み切れる容量の茶筒を選ぶとよいでしょう。

茶筒の容量に50g、100g、200g…などと記載がありますので、参考にしてくださいね。なお、1杯のお茶に使う茶葉の量は3~4g程度が目安です。

光を遮断できる茶筒を選ぼう

茶葉は光に当ててもいけません。日光はもちろん、電球や蛍光灯の光でも劣化が進みます。そのため光を通さない茶筒を選びましょう。ただし茶筒の保管場所が光に当たらない場所であれば、そんなに心配しなくても大丈夫です。

ニオイにも気を付けよう

ステンレスやアルミなど、金属製の茶筒はニオイが気になることもあります。プラスチックや樹脂製、木製などの茶筒は、周囲のニオイを吸収してしまうことがあります。お茶の香りを生かすためにも、保管場所や取り扱いには注意しましょう。

使いやすい茶筒を選ぼう

なにより重要なのは使いやすさ。デザインや機能性を重視して選んでも、使い勝手が悪いと、結果的に使わなくなってしまいます。できるだけ長く使えるものを選びたいですね。おすすめは、口が大きく茶葉を取り出しやすいものです。

茶筒の正しい使い方

茶筒は洗っちゃダメ?

茶葉を保管するために重要なのは湿気をふせぐこと。茶筒を洗うと内部に水分が残ってしまうことがあるため、茶筒を洗うのはNG。和紙を貼ってある茶筒は、濡れると和紙がはがれてしまいます。金属製の茶筒に水分が残ってしまうとサビの原因にも。乾いた布でふくだけでOKです。

どうしても洗いたいときは、内部に水気が残らないよう、しっかりと乾燥させましょう。洗剤のニオイが残らないよう、水洗いだけにしておくのが無難です。もしニオイが気になるときは、古くなってしまった茶葉を入れてシャカシャカ振ると消臭できますよ。

ニオイ取りには、シリカゲルなどの乾燥剤を入れておく方法も。乾燥剤の取り扱いにはご注意くださいね。

冷暗所に保管しよう

茶筒を保管するのは、光・温度・湿気・ニオイの影響を受けにくい場所がおすすめ。食器棚や急須・湯のみを閉まっている場所がおすすめです。

冷蔵庫や冷凍庫に茶葉を保管している方もいるかもしれません。最近の冷蔵庫は湿度を高く保っていることが多く、ほかの食品のニオイ移りが気になります。

開封前の茶葉であれば冷凍保管もOKですが、一度開封した茶葉を茶筒に入れ、冷凍庫に保管するのはNG。冷凍により霜がつくことがあり、冷凍庫から出すたびに霜が溶け、劣化してしまいます。

なお、冷凍した茶葉を開封するときは、しばらくおいて室温に戻してから開封しましょう。霜がつくのを防ぐことできます。

茶筒の素材

茶筒に使われる素材には、金属、木、陶磁器など色んなものがあります。

中でも定番なのはブリキ製。ブリキは鉄の表面を錫(すず)でめっき(コーティング)したもので、軽くてサビにくいのが特徴です。ブリキの茶筒は江戸末期ころから製造が始まったと言われています。

ほかにも金属製の茶筒には、真ちゅう(鉄と亜鉛の合金)、アルミ、ステンレス、銅などの素材が用いられています。煎茶道では錫の茶筒が一番上等とされるそうですよ。

木製の茶筒は、ロクロを使って中身をくりぬいて作ります。素材の木目を生かしたものや、漆を塗って仕上げたものもあります。木の種類は、ケヤキ、サクラ、オーク、ほか様々です。寄木によるものもあります。

桜の皮を使う樺細工(かばざいく)や、輪島塗などの漆茶筒には、螺鈿(らでん)装飾がほどこされるなど、思わず見とれてしまうほど美しいものも。

陶器や磁器でできた茶筒は、独特のおもむきがあって美しいですね。茶葉の湿気を吸ってくれる性質があるので、古くは茶壷や茶入れに使われた素材です。茶壷や茶入れとは、今でいう抹茶を保存していた容器のこと。

茶筒にはいろんな個性がありますが、お手持ちの急須や湯のみ、カップなどとの相性を考えると、もっといいと思います。茶筒を使わないときはお菓子や調味料、ハーブなどを入れておいてもいいですね。ぜひ、あなたにピッタリの茶筒を見つけてくださいね!

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