【ほうじ茶の効能】煎茶(緑茶)にはないほうじ茶だけの成分をご紹介いたします。

コラム

寒くなってくると、あたたかい日本茶でホッとしたくなりますね。とくに風が冷たくなってくるこの時期、ほうじ茶の人気が出てきます。

寒くなるとほうじ茶を飲みたくなるのはなぜでしょうか?それは、緑茶にはないほうじ茶だけの成分によるものです。ほうじ茶の効能についてまとめました!

煎茶(緑茶)にはないほうじ茶だけの効能とは?

ほうじ茶には「ピラジン」という成分がふくまれています。ピラジンは、肉やイモ類を焼いたときに生じる香ばしい香りの元。ナッツ類やチョコレートなどにもふくまれています。

ピラジンの血流促進効果

ピラジンは血行をよくして体をポカポカと温めるはたらきがあります。そのためほうじ茶を飲むと、体があったまるんですね。北海道や東北など、寒い地域では伝統的にほうじ茶が良く飲まれています。ほうじ茶は冬にピッタリですね!

血流が良くなるのは、ピラジンが血液をサラサラにする効果を持つから、とも考えられます。ある研究によると、ピラジンには血栓を防ぐはたらきが認められたんだとか。脳梗塞や心筋梗塞を予防するはたらきが期待されているんですよ。 

【注1

ピラジンのリラックス効果

また、ピラジンは脳をリラックスさせるはたらきも。ピラジンの香りをかぐと、脳にGABAと呼ばれる物質が増加することがわかっています。

GABAとはストレス社会に注目を集めており、睡眠の質を高めたり、血圧を下げるはたらきがあるのだとか。ほうじ茶の香りをかぐと、興奮した脳が落ち着き、リラックスする!ということなんですね。 

【注2】

ほうじ茶とピラジンの関係

ほうじ茶にふくまれるピラジンの量は、煎茶(緑茶)の数倍と考えられます。その理由はほうじ茶の製法にヒミツが!

ほうじ茶とは、そもそも、新茶以降の時期に収穫された「番茶」を、炒って香ばしく仕上げたもの。番茶には、新茶のような新鮮さ、みずみずしさ、甘味・うま味が少ないので、番茶を美味しく飲むために考えられた方法なんですね。

そして近年の研究で、茶葉を炒ることでピラジンが生じることがわかりました。ほうじ茶は体によいものと証明されたのです。

緑茶にはないほうじ茶だけの特徴

ほうじ茶は、番茶を炒ったもの。そのときにピラジンが生成されますが、同時に、加熱により失われる成分もあります。

それはカフェインやカテキンなどの成分です。

カフェインは集中力を高めたり、脂肪燃焼効果が認められている成分。目が覚める成分、覚醒作用のある成分として知られています。

カテキンは煎茶(緑茶)に豊富に含まれるポリフェノールの一種。免疫力アップやガン予防など、様々なはたらきが期待されています。

カフェインやカテキンは加熱することで揮発してしまい、ほうじ茶には少なくなってしまうのです。

しかし、それが悪いのかというと、そうでもありません。カフェインやカテキンは苦味・渋味成分でもあります。カフェインやカテキンが飛んでしまったほうじ茶は、苦味・渋味が少なく、飲みやすいのです。

お子様でも飲みやすいほうじ茶。すすむ屋茶店のおすすめほうじ茶も、ぜひお試しくださいね!

まだまだある!ほうじ茶の効能

ほうじ茶は、煎茶(緑茶)の茶葉を炒って作ります。そのために成分が変化し、煎茶(緑茶)とは違う性質を持ちますが、当然ながら変質せずに残る成分もあります。

ピラジンのほかにも、ほうじ茶にはこんな成分がふくまれています!

ほうじ茶とテアニン

テアニンとは、アミノ酸の一種でうま味・甘味成分にあたります。葉の部分よりも茎の部分を焙じた「茎ほうじ茶」の方がテアニンをたくさんふくむので、コクのある味わいを感じることができますよ。

テアニンにはリラックス作用があり、ストレスの緩和、結構改善、更年期障害、PMS(月経前症候群)に効果があると期待されています。

ビタミンC

ビタミンCは、一般的に熱に弱いと言われますが、煎茶(緑茶)やほうじ茶のビタミンCは別。それはカテキンに守られているからです。

ほうじ茶は、焙煎されるときにカテキンが飛んでしまいますが、煎茶(緑茶)を入れるときよりも多めに茶葉を使うこと、水分が飛んで軽くなっていることから、ビタミンCの含有量は、むしろ煎茶(緑茶)よりも多いという説があります。

その量、なんとレモンの5倍!ビタミンCは、美肌効果やストレス対策、免疫力アップなどの効果があり、特に気を付けて摂取したい成分です。ほうじ茶を飲んで、体の中からキレイで元気になりましょう!

ビタミンE

高い抗酸化作用が注目されているビタミンE。含有量はアーモンド以上と言われています。

ビタミンCと同時に摂取することで、効率的に体に吸収されるんだとか。一杯のほうじ茶のパワーって本当にスゴイですね。

クロロフィル

クロロフィルには貧血予防、整腸、炎症鎮静作用があります。中でも整腸作用が注目されており、その結果、体臭やニオイ成分を消臭してくれるのだとか。

以前から知られていた炎症鎮静作用は、美肌効果があるとして化粧品やサプリメントに応用されています。ほうじ茶を飲むと全身くまなくキレイになれそうですね!

ほうじ茶の効能 お分かりいただけましたか?

ほうじ茶は煎茶(緑茶)よりも体に良い、というわけではなく、どちらもそれぞれに良いところがある日本茶です。

いろんなシーンに合わせて、お好みで、気分で、飲みたいお茶を選ぶのはいかがでしょうか?ポカポカ、ほっこり。ほうじ茶で美味しく健康になりましょう!

※記事を作成する際に参考にしたサイトは、下記です。

https://www.gitc.pref.nagano.lg.jp/reports/pdf/H18/04Shokuhin/H18F08_26-28.pdf

【注1】 ダッタンそば茶に含まれるアルキルピラジンが血液流動性 に及ぼす影響/2ページ目/ 3 実験結果及び考察 3.1 ダッタンそば茶飲用による血液流動性の変化 /2021年1月29日

https://www.jstage.jst.go.jp/article/cha/2012/114/2012_114_1/_pdf/-char/ja

【注2】ピラジンの生理作用と安全性について/2ページ目/3) 2,3-dimetypyrazine,2,5-dimethylpyrazine.2-ethylpyrazine/2021年1月29日

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