お茶を入れる急須(きゅうす)。いつも使うものですから、いつも清潔にしておきたいですよね。
ところで、急須の正しい洗い方をご存知ですか?本来、急須は使えば使うほど深みが増して、毎日のお茶がますます美味しくなるもの。
美味しいお茶のためにも、急須の洗い方とお手入れ方法をおさらいしておきましょう!
急須の洗い方
急須の洗い方は、素材によって変わってきます。朱泥でできている常滑焼や、陶器の急須だと、水・ぬるま湯ですすぐだけでOK。ツルリとした肌の磁器やガラス、樹脂などの素材は洗剤をつけてもOKです。その場合は洗剤のニオイが残らないよう、よくすすいでくださいね。
詳しくは、取扱説明書や販売店に確認するのが一番です。
お茶を入れたときの細かい茶葉が急須の中に残ってしまい、なかなか洗い流せない…という経験をしたことはありませんか?こうした茶葉のカケラは、必死になって落とさなくて大丈夫。
なぜなら、水・ぬるま湯などですすいだ後、しっかりと乾かすからです。すすいだ急須をしっかりと乾燥させることで、内部に雑菌が繁殖するのを防ぎます。
急須に残ってしまった細かい茶葉も、乾燥させるとはがしやすくなりますよ。
ただし気を付けなければならないのは、使った後はできるだけすぐに洗うということ!茶葉を残したままだと、雑菌が繁殖しやすくなります。
急須のお手入れ方法
普段は水かぬるま湯で洗い流すだけでいいのですが、何日か使っているうちに茶渋がついたり、ヌメリが出てしまうことがあります。時々は念入りにお手入れをしてあげましょう。
急須の注ぎ口は、もっとも茶渋がつきやすい部分。急須の注ぎ口にピッタリなのは細いブラシです。お茶の出口から急須内部へ向けてブラシを差し込み、軽くこすります。力を入れなくても、面白いように茶渋が落ちますよ♪専用のブラシがない場合は歯ブラシでも代用できます。
逆に、力を入れすぎると急須の表面にキズがつき、雑菌が繁殖しやすくなったりすることも。金属製のタワシを使ったり、研磨剤つきのスポンジ、クレンザーなどはNGです。なかなか落ちない茶渋には、塩をつけてこすってみてください。
重曹や漂白剤を使う方法もありますが、陶器の急須には不向きの場合もありますので、取扱説明書や販売店であらかじめ確認してくださいね。
急須の茶渋汚れに重曹を使う方法をご紹介します。急須が完全に浸かるくらいの大きなお鍋に重曹水を用意し、鍋ごと火にかけます。重曹が溶けたら火を止め、30分ほど放置。重曹水に漬けておいた急須は茶渋が浮いている状態。スポンジや綿棒、ふきんなどでみがくときれいになります。
重曹水はアルカリ性が強いこともあります。取り扱うときはゴム手袋をし、最後に流水で洗い流しましょう。また、漬け置き時間が長すぎたり、重曹水の濃度が高すぎると、急須を傷めてしまいます。急須や重曹の取り扱い説明書をチェックしてくださいね。
ただし重曹はアルミ、プラスチック、ガラス、木などと相性が悪いです。鍋や急須の素材によっては漂白剤の方が適していることも。漂白剤を使用した場合も、洗い残しがないよう、ていねいに流しましょう。その後さらに水に漬け置きしておくとベストです。
急須に洗剤を使ってはいけないの?
急須を洗ったり、時々のていねいなお手入れに、洗剤は不要です。なぜなら急須が洗剤の成分を吸い込んでしまうから。
つまりお茶の味が変わってしまう可能性があるのです。特に陶器製の急須は吸水性・吸湿性があり、お茶の渋味・雑味を吸収してまろやかな美味しいお茶を入れることができます。洗剤を吸収してしまうと、お茶を入れたときに洗剤が混じってしまうことに。
磁器製の急須は洗剤を吸収することは少ないと言われています。しかし最近では香料の入った洗剤も多いので、お茶の香りを感じにくくなってしまうこともあります。香りが強い洗剤は避けた方がいいでしょう。
目止め(めどめ)とは?
陶器製の急須を使う場合、ものによっては「目止めをしてください」と説明書きされていることがあります。
目止めとは、水漏れやひび割れ、におい移りなどを防ぐためのお手入れ。特に土鍋を使う前には必須と言われます。
土を原料とした陶器の表面には、目に見えない小さな穴がたくさん開いており、これを「目」と言います。目をふさがずに使うと、目と目がつながって亀裂になってしまったり、目にニオイが定着してしまったり…といったトラブルが起こりやすくなるんだとか。
目止めは使い始める前に一度、その後も定期的な目止めが必要です。美味しいお茶のためにも、しっかりと急須のお手入れをしてあげたいですね。
目止めの方法
目止めの方法をご紹介します。急須によっては、目止めが必要ないものや、目止めが逆効果になってしまうものもありますので、急須の取り扱い説明書をチェックしたり、詳しくは急須の販売店・購入店にお問い合わせください。
まずは水洗いして、よく乾かします。乾燥が不十分だと、熱が入ったときにひび割れしやすくなってしまいます。
急須が浸かるくらいの大きなお鍋に、米のとぎ汁か、水に片栗粉や小麦粉を溶かしたものを用意します。急須を入れて沸騰させ、そのまま冷まします。お茶を使う急須の場合はにおいがつかないように茶葉をいれても良いようです。
冷めたら急須を取り出し、水で良く洗ってヌメリをきれいに落とします。その後は再び乾燥させましょう。
急須は、お手入れすればするほど応えてくれます。使うたびにお茶の成分が染み込み、深みのある光沢が重ねられていきます。美味しいお茶のためにも、長く付き合っていくためにも、正しい洗い方とお手入れ方法をマスターしてくださいね!