正しい急須の使い方、してますか?なんとな~く使っている、という方も多いのではないでしょうか。
といっても、あんまりむずかしく考える必要はありません。急須のフタについている穴の位置だけ、気を付けたらいいのです。
穴の位置?気にしたこともなかった…という方も多いと思いますが、急須のフタの穴には深いワケがあるのです。知っているだけで、いつものお茶がグンとおいしくなります!
急須のフタ、穴の位置は?
急須のフタの穴の正しい位置は、注ぎ口に一番近い場所です。注ぎ口側にフタの穴を持っていくと、そこからお茶がこぼれそうで反対側にしていた人…いませんか?正解は逆でした!
どうして、注ぎ口のそばにフタの穴を持っていくのでしょうか?それは、フタの穴の役割が理由になっています。
急須のフタの穴の役割
急須のフタについている小さな穴は、急須の中に空気を取り込む役割をしています。空気が入ることで注ぎ口からお茶が注ぎやすくなるのです。
もしフタに穴がなかったら、密閉された急須の中にお茶がとどまり、注ぎにくくなってしまいます。フタの外側から空気を取り込もうとするため、フタの周りからお茶がこぼれる原因にも。
フタの穴はもうひとつ、大きな役割を持っています。それは茶葉を対流させる役割です。急須の中に空気が取り込まれることで、茶葉が舞い踊り、茶葉が広がりやすくなります。
茶葉がきちんと広がると、茶葉が持つ美味しさをじゅうぶんに引き出し、ムラのないお茶に仕上がります。
もし急須に絵柄がついていたら、フタと本体の絵が合わさるようにしてみてください。注ぎ口と穴が同じ方向になっているはずです。
種類によって違う急須の使い方
ひとくちに急須といっても、いろんな種類があることをご存知でしょうか?種類によって急須を使い分けると、ワンランク上のお茶を楽しむことができますよ。
一般的な急須は「横手型」と呼ばれ、注ぎ口と持ち手が約90度(厳密いうと少し内側に入っているので85度~88度)の角度になっています。煎茶をはじめ、いろんな日本茶を入れるのに適していますよね。比較的少量のお茶を入れるときに使うので、家庭では横手型の急須を使う方が多いのではないでしょうか。
人数が多いシーンにおすすめなのは「上手型」と呼ばれるタイプで、本体の上側に持ち手がついています。大容量で注ぎやすく、持ちやすいのが特徴です。素材によっては直火にかけることもできます。「土瓶(どびん)」と呼ばれることもありますね。
紅茶やウーロン茶のポットに多いのは「後手型」。注ぎ口の真後ろ、180度の方向に持ち手がついています。世界的には後ろ手型が主流で、横手型の急須は日本独自のデザインです。
持ち手がない急須もあります。「宝瓶(ほうひん)型」といって、比較的低温のお茶(玉露、上級煎茶ほか)を入れるのに適しています。
美味しいお茶を入れるための急須の使い方
美味しいお茶を入れるためのポイントをいくつかご紹介します。
まずは新鮮な茶葉を使うこと、くみ立ての水をきちんと沸騰させること。この二つが大前提です。
続いて、急須と湯飲みをよく温めましょう。急須や湯飲みを温めたお湯を使うと、お茶を入れるのにちょうどよい温度になるので、一石二鳥。沸騰したばかりのお湯を使うと、渋味・苦味が強くなってしまいます。逆に、温度を低めにすると渋味・苦味が抑えられるので、お好みで調整してくださいね。
茶葉の量をはかり、やさしくお湯を注いだら、フタの穴と注ぎ口を同じ方向に合わせ、蒸らします。茶葉のパッケージなどに記載されている入れ方をチェックして、温度や抽出時間の参考にしましょう。一般的な煎茶の場合、80度前後のお湯で1分間が目安です。
濃度が一定になるよう湯飲みに注ぎ分け、最後の一滴まで絞り切ります。ちょっとしたコツをおさえるだけで、いつものお茶がグーンとおいしくなりますよ!
正しい急須のお手入れ
急須のお手入れでもっとも重要なのは、できるだけ早く片付けること。お茶を入れた後の茶葉をそのままにしていると、雑菌が繁殖したり、茶こしの網目が詰まる原因になります。
洗う時に洗剤は必要ありません。急須の素材によっては、洗剤を吸収してしまうからです。なかなか落ちない茶渋には、塩をつけてこするのもおすすめです。クレンザーや研磨剤つきのスポンジは、急須にキズをつけてしまうおそれがあるので、避けましょう。
洗った後はよく乾燥させておきます。完全に乾燥させることで、急須の中に残ってしまった茶葉もはがれやすくなりますよ。
急須の素材によっては、お手入れ方法が異なる場合もあります。取扱説明書や販売店で確認しましょう。陶器製の急須を使う場合、目止めが必要な場合も。丁寧なお手入れをして長く付き合っていくなんて、素晴らしいことですよね。
けれどもこまめなお手入れがニガテな方、なかなか時間が取れない…という方は、目止めの必要ない急須を選ぶのもひとつの方法。急須を選ぶときの基準にしてくださいね。
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