冬が過ぎ、桜が咲いたら新茶の季節はすぐそこ。私たちの家に届くまで、茶葉は長~い旅をしています。今日は荒茶から鹿児島茶市場までをご紹介!
鹿児島茶市場とは?
鹿児島茶市場は、公益社団法人鹿児島県茶業会議所が運営しています。鹿児島茶市場に入れるのは鹿児島県の茶生産協会員や農協組合員です。
茶葉を収獲した生産者は、それぞれが所属する農協に茶葉の販売を委託。各地の農協は、所属する茶農家の茶葉を取りまとめ、鹿児島県茶市場へと出荷。そこで県内取引と県外取引とに分かれます。
鹿児島県内取引においては、市場手数料が取引金額の3%と、少し高めに設定されているいっぽう、農家への代金受け渡しは4日以内、卸売業者(農協)への支払いは10日以内とするなど、大変スピーディなシステムが形成されています。
荒茶から市場まで①鹿児島茶市場
収獲された茶葉は、「蒸し」「揉み」「乾燥」といった加工を経て「荒茶(あらちゃ)」になります。
荒茶に生まれ変わった茶葉が向かうのは茶市場。「荒茶市場」と呼ばれることもありますね。大会袋と呼ばれる紙の袋に詰められた荒茶がギッシリと集まっており、まさに圧巻!このとき、茶葉の生産や取引の履歴がしっかりと記録されています。
たとえば、生産者の名前、お茶の品種、収獲(摘採)日、入荷日、使われた肥料の種類・使われた量…これらはすべて、求められれればいつでも開示できるよう、システム化されているんですって!安心・安全なお茶をつくるために、鹿児島茶市場では徹底的な管理が行われているんですね。
荒茶から市場まで②鹿児島茶市場のシステム
鹿児島茶市場には「茶商」と呼ばれるお茶の専門家がたくさん集まり、長年の知識と経験が詰まった目を光らせています。 茶葉やお茶の色、香りや味わいを「目利き」しながら、どんなお茶になっていくか、想像力を働かせるのです。
このときに活躍するのが「画像解析システム」や「茶上げロボット」などの機械。茶葉の状態(外観)やお茶の色あい、明るさ(濃淡)などを解析し、可視化することができます。解析データは鹿児島茶市場での取引に活用されるのはもちろん、出荷者の元にも返され、日々の生産に役立てられているんだとか。
こうしたシステムをはじめ、たくさんの人々に支えられて、私たちは新鮮なお茶を安心して飲むことができるんですね。
荒茶から市場まで③ 鹿児島茶市場での 取引
鹿児島茶市場では、新茶の初取引が行われる日に特別な行事が行われます。茶業の関係者が一堂に会し、おごそかな神事が執り行われるのです。お神酒をそなえ、神主さんを呼ぶという本格的なもの!みんなで手打ちをして、今年も美味しいお茶がたくさんとれるように、お祈りします。
お茶の入札会では、それぞれの茶葉がせりにかけられ、茶商が入札していきます。人気のお茶は、オークションのようにどんどん値段が吊り上がっていくんだとか。
しかし、これが私たちの飲むお茶ではありません。茶葉は、さらなる旅を続けるのです!市場からそれぞれのお茶屋さんに行った茶葉は、さらに商品として一般のお客様が購入できるよう、次の加工段階に入ります。
ここまできたら、あともう一息。もうすぐ美味しいお茶に出会えますよ。
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近年、元気いっぱいに生産量をグングン増やしているかごしま茶。生産者だけでなく、鹿児島茶市場など、お茶にたずさわるすべての人たちの努力が実った形なんですね。これからも鹿児島茶を追いかけていきましょう!
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