お茶の作り方!煎茶(荒茶)の製造工程をわかりやすくご紹介します。

製造方法

私たちは日常の様々なシーンでお茶を飲みます。小学校の家庭科では、お湯を沸かして緑茶を入れる授業も。お茶は日本人と切っても切り離せない関係にあります。

ではこのお茶、どうやって私たちのもとへやって来るのでしょうか?茶畑でお日様を浴びてすくすくと育った茶葉は、収獲後すぐに「荒茶(あらちゃ)」という状態に加工されます。茶畑から荒茶になるまでを追いかけてみましょう!

荒茶(あらちゃ)とは?

お茶の葉っぱを収獲すると、茶葉はすぐに酸化・発酵が始まります。そのまま放っておくと、どんどん質が落ちてしまうので、収獲後はできるだけ早く加工しなければなりません。

加工前の茶葉を「生茶」といい、まずはこれを蒸すところから始まります。続いて揉み、乾燥…といった荒茶工程をへて「荒茶」に生まれ変わります。100kgの生茶葉があった場合、荒茶になったときには23kg程度になっているんですよ。

荒茶はそのままでは販売・購入されません。さらに仕上げ加工をおこない、製品としてのお茶(煎茶)が完成します。

お茶の作り方①栽培・摘採(てきさい)

お茶の葉はツバキ科の「チャノキ」という木から生まれます。茶畑には、チャノキがた~くさん並んで植えられているんです。けっして横に長い一本の木ではありません。

春が来ると、チャノキは新しく芽吹き、みずみずしい葉を形成していきます。この新芽こそが茶葉のモト。葉を摘むことを「摘採(てきさい)」と言います。「茶摘み(ちゃつみ)」とは、この摘採のことなんですよ。

手摘みの場合は2~3枚の新芽を、機械摘みの場合は4~5枚の新芽を刈り取ります。これより古い茶葉は「番茶」と呼ばれ、固くて筋が多く、味や品質が落ちる部分です。生茶葉は摘採した直後から熱が発生し、酸化・発酵を始めます。

チャノキは一年に何度も収穫できますが、冬の間は休眠します。春に芽吹いた新しい芽を摘み取り、加工したものが、みなさんご存知の新茶です。

お茶の作り方 ②蒸し(蒸熱)

続いての「蒸し」は、お茶を作る上でもっとも重要な工程と言われます。なぜなら、この「蒸し」によって、お茶の色や味、香りがほとんど決まってしまうから。蒸して加熱することで、生茶葉は酸化発酵が止まり、みずみずしい緑色を保ちます。同時に、青臭さを取り除き、緑茶らしい香りを引き出す工程でもあるのです。

一般的な煎茶の蒸し時間は30秒程度。これが1分以上になると「深蒸し茶」と呼ばれます。深く蒸すほど茶葉が細かくなり、濁ったお茶になりますが、まろやかなうま味・甘味が出て、鮮やかな緑色になるんだとか。一方で、深く蒸すと香りも飛びやすいので、香りの強いほかの煎茶とブレンドされることもあるようです。

90秒以上蒸したものは「特蒸し茶」、140秒以上蒸した「極蒸し茶」もあります。逆に蒸し時間が20秒程度のものを「浅蒸し茶」といい、渋めですっきりとした味わいに。茶葉が崩れないので、針のようにそろった見た目が美しく、高級煎茶として扱われることも多いです。

生茶葉に100℃の蒸気を当てることで、茶葉の温度は98℃まで上昇!水分量は350%程度です。蒸した茶葉を高温のままにしておくと劣化が進むので、室温程度まで冷却してから揉み工程にうつります。地域によっては、蒸熱前に送風・加湿して生茶の発酵を止める工程が入ることもあります。

お茶の作り方 ③揉み(もみ)

「揉み」は、蒸した茶葉を揉む工程で、「葉打ち」「粗揉」「揉捻」「中揉」「精揉」の5種類に分かれます。5種類の工程に分けて揉むことで、茶葉に含まれた水分を少しずつ落としながら、茶葉の形をそろえていきます。

茶葉を摘み取ったばかりのときは、葉の部分は水分量が少なく、茎の部分は水分量が多くなっています。形をそろえることで水分が均一になり、まとまりのある安定した煎茶になるんですよ。

また、茶葉の細胞組織を破壊して、お茶の成分を抽出しやすくするためにも、揉みは重要な工程です。揉みは機械で行うことも多いですが、プロの手揉み職人は「茶師」と呼ばれ、茶揉みの競技会や、茶揉みの流派なんてものもあるんです!大変奥が深い世界ですね。

(手揉み職人ではなく、お茶の選別や火入れ、ブレンドなどを行う人を「茶師」ということもあります。)

葉打ち

加熱の後、冷却した茶葉の表面には、細かな水滴がついています。これを取り除くのが葉打ちです。95℃の熱風を15分ほど当て、水分量を250%程度まで下げます。

粗揉(そじゅう)

蒸した茶葉は水分をたっぷり含んでいますので、茶葉どうしがくっつかないよう攪拌しながら、95℃の熱風を送り込みます。30分ほどかけて100%程度まで水分を落とします。

揉捻(じゅうねん)

室温で茶葉の上から圧力をかけ、練るように揉んでいきます。葉の部分は細い針状にして乾燥しすぎないように、反対に茎の部分からは余分な水分をギュッと絞り出します。

揉捻を15~30分行うと、葉の部分と茎の部分が同じような色・形になり、見分けがつかなくなってきます。ここまで来ると、私たちが普段よく目にする煎茶に近づいてきます。

中揉(ちゅうじゅう)

粗揉のときと同様、攪拌しながら温風を送り込みます。40分ほどかけて水分量を35%程度まで落としていきますが、茶葉が焦げたり、逆に表面だけ乾燥して内部に水分が残ったりすることがないよう、35℃程度の低温でじっくりと乾燥させていきます。

精揉(せいじゅう)

人が手で揉むイメージで、一定の方向に揉む工程です。精揉が完了すると、形がきれいな針状にそろい、表面にツヤが出て美しい状態に。品質を安定させながらうま味や香りを引き出すことができます。90℃の室内で40分ほどかけ、水分量は10%程度になります。

お茶の作り方 ④乾燥

精揉が済んだ茶葉は、さらに80℃の熱風で30分ほどかけて乾燥させ、水分量を5%程度に下げます。しっかりと乾燥させることで、お茶の風味を茶葉の中に閉じ込め、同時に長期保存が可能な状態になるのです。乾燥が済んだ茶葉は「荒茶(あらちゃ)」として、茶市場へ出荷されていきます。

まとめ

茶畑で育てられたお茶が荒茶になるまで、たくさんの工程がありました!ずいぶん長い旅をしてきたように思えます。しかし、私たちが普段購入する煎茶は、この荒茶ではありません。荒茶は茶市場に出荷され、次の旅に向かうのですが…それはまた、別のお話。

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