蒸し方でかわるお茶の味。深蒸し茶、中蒸し茶、浅蒸し茶の違いって?

製造方法

最近よく聞く「深蒸し茶」。苦味・渋味が少ない一方、甘み・うま味が強く、口当たりがまろやかと大評判です。

ところで「深蒸し」って、一体何のことでしょうか?「深蒸し茶」があるなら、もちろん「浅蒸し茶」「中蒸し茶」もあります。蒸し方で変わるお茶の味についてまとめました。

深蒸し茶、中蒸し茶、浅蒸し茶の違い

茶畑で育った茶葉が、お茶となるまでには様々な道のりをたどっています。なかでも茶葉を収獲してすぐに行われるのが「蒸し」という工程。お茶の味を左右する重要な工程です。

深蒸し茶は蒸し時間が長く、60~180秒の蒸し時間を取ったものをいいます。長く蒸すことで渋味・苦味が飛んで、反対に甘味・うま味を引き出すことができるのです。深く蒸された茶葉は細かくなっているので、成分が抽出されやすいんだとか。そのため、お茶の色も濃い緑色が出やすくなるほか、茶葉に含まれる栄養素を一緒に摂取できます。

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中蒸し茶は「普通蒸し茶」「標準蒸し茶」と呼ばれることからわかるように、ごく一般的な蒸し時間のお茶です。蒸し時間は30~60秒ほどで、お茶らしいさわやかな渋味を感じます。

浅蒸し茶はさらに短く、蒸し時間が10~30秒で仕上げられています。香りが強く残ることから、以前は浅蒸し茶が主流だったんだとか。蒸し時間が短いため、茶葉は固く、形もそろっています。お茶の色は黄色もしくは金色と表現されることも。

「蒸し」とは?

茶葉を収獲すると、すぐに酸化発酵が始まります。それを止めるために、できるだけ早く加熱処理をするのですが、日本では蒸熱(じょうねつ)処理をするのが一般的。中国の緑茶は釜炒りが主流です。

ここで加熱処理をせずに、最後まで発酵させると紅茶になります。また、発酵の途中から加熱処理をするとウーロン茶に。緑茶のように、茶葉を摘採後すぐ加熱処理して発酵を止めたら、その後で発酵させる「後発酵茶」なんてものも。後発酵茶は、乳酸菌や麹菌の力を借りているんですよ。

深蒸し茶、中蒸し茶、浅蒸し茶の美味しい入れ方

蒸し具合によってかわるお茶にはそれぞれ美味しい淹れ方があります!その美味しい淹れ方をご紹介します。

深蒸し茶の入れ方

深蒸し茶は、蒸し時間が長いため香りが飛んでしまいがち。そのため少し短め(40~50秒程度)に抽出すれば、ふくよかな香りとまろやかなコク、甘味・うま味を同時に楽しめます。香りを楽しむためにも、お湯の温度は少し低めの80℃くらいがいいでしょう。

なお、深蒸しで香りが飛んでしまった分、「火入れ」工程で香ばしい香りを引き出すことがあります。ものによっては焙煎の香りを感じることも。

中蒸し茶の入れ方

中蒸し茶は少し熱めのお湯でいれるのがおすすめです。目安は80~90℃くらい。温度が高すぎると渋味・苦味が出やすくなってしまいます。低めのお湯を使うと、十分なうま味と渋味のバランスの良さを感じることができますよ。

浅蒸し茶の入れ方

浅蒸し茶は茶葉が固く、成分が抽出されにくいので、お湯を注いでから90秒程度じっくり待ちましょう。浅蒸し茶ならではのさわやかな香りを堪能してくださいね。お湯の温度は80℃くらいがおすすめです。浅蒸し茶は二煎目も変わらぬ味を楽しめるのが特徴急須に茶葉をタップリ入れて、何度も飲むのが古くからの茶農家に伝わる飲み方なんだとか。ぜひ試してみたいですね。

浅蒸し茶は渋味が強く出やすいお茶ですが、水出しにすると渋味が少なく、うま味たっぷりのお茶を味わうことができます。水出しにしても浅蒸し茶ならではの香りは健在。あなただけの楽しみ方を見つけてくださいね!

おすすめ深蒸し茶 嘉左衛門茶舗「知覧」

嘉左衛門茶舗の深蒸し茶「知覧(ちらん)」は、鹿児島茶らしく濃厚な甘味が楽しめるのが特徴。知覧とは鹿児島茶の一大生産地です。ぜひお試しください。

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おすすめ浅蒸し茶 嘉左衛門茶舗「霧島」

嘉左衛門茶舗の浅蒸し茶「霧島(きりしま)」は、「形上煎茶」と銘打つとおり針のような形状の美しい茶葉が特徴。さわやか・かろやかな甘味を楽しむにはピッタリの煎茶です。ギフトにもおすすめですよ。

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