すすむ急須2ができました。
2015年にプロジェクトをスタートしたすすむ屋茶具シリーズ。「おいしい日本茶が日常にあるための茶具」を目指して、日本が誇る職人たちと協力し、すすむ急須をはじめ、湯呑みやマグカップ、土瓶といったオリジナル茶具を製作してきました。
今回ご紹介するのは2019年に販売開始した「すすむ急須2」。特に女性の愛用者が多いすすむ急須2の魅力はどのようなものなのでしょうか。
形にこだわりました。
コロンとした丸い形がかわいい
きっと、はじめに目が行くのがこの形。すすむ急須が高さを抑えた平たい急須なので、初めてすすむ急須2に出会ったときは驚きました。
でも、このコロンとした形は他になく、特別感がありますよね。それなのにシンプルで飽きの来ないデザインは、どこか「和」を感じさせてくれます。毎日使う急須だからこそ、お気に入りのデザインのものを選びたいものです。
お茶がおいしく淹れられる形
急須の茶漉しは、はめ込みタイプやかご網タイプなど様々ですが、すすむ急須2は「ささめ」。急須と同じ素材でできたものが本体にはめ込まれているものです。このタイプの急須は、茶葉が急須全体に広がるので、お茶の味を最大限に引き出してくれます。
すすむ屋茶店の煎茶は深蒸しタイプが多く、茶葉が細かいものが多いのですが、それでもしっかりと漉してくれる目の細かさもポイントです。
一人でも、二人でも使える 270mlの容量
形の可愛さから小ぶりに見えるのですが、約270ml入ります。一般的な急須と変わらず1~2人用で、これはすすむ屋茶具シリーズの湯呑み(大)で1杯強、(小)で2杯分。一人でも二人で使いやすいサイズが嬉しいですよね。
お茶好きの人がたくさん飲めるように、大事な人と一緒にお茶の時間を過ごせるよう作られた急須です。
二重のふたで注ぎやすい!
コロンとした形と同じように特徴的なのが蓋。二重になっているので蓋を押さえても熱くなく、煎茶だけではなく熱々のほうじ茶を淹れるのにもぴったり。
横手の持ち手が本体の上部についているので、手の小さな女性でも蓋の淵を親指で押さえて片手で注ぐことができます。
常滑焼の本物の急須
急須の産地常滑
すすむ屋茶店の急須が作られているのは愛知県の常滑市。常滑焼の歴史は長く、瀬戸や信楽、備前と並ぶ「日本六古窯」の一つです。平安時代から生産されている焼き物ですが、急須が作られるようになったのは江戸時代後期から。中国の焼き物を手本として作り出されたそう。
鉄分を多く含む常滑の土は保温性が高く、急須を作るのには最適。さらに緑茶のカテキンを吸着して渋みを減らす効果もあるんだとか。伝統ある常滑焼ですが、今ではその伝統を継承しながら若い作家たちが作り出すモダンな焼き物も生まれていて、現在では急須のシェアは日本一となっています。
朱泥の黒
常滑焼の特徴は何と言ってもその色。急須といえばオレンジ色をイメージする方も多いのではないでしょうか。鉄分を多く含む常滑の粘土は高温で焼き上げることで美しい朱色を発します。
でも、すすむ急須2は黒いですよね。それは一度焼いた急須にさらに藁をかけて二度焼きすることで炭の黒を定着させているから。真っ黒ではなくやわらかい黒なのは「朱泥の黒」だからこそ。ざらっとした土の風合いも楽しめます。
一つ一つ丁寧に作られています
すすむ急須2は鋳込みという手法で作られています。石膏型に“泥しょう”という液状の粘土を流し込むと、石膏型が水分を吸収し徐々に固まっていきます。逆さまにして余分な泥しょうを落としさらに乾燥させ、型からはずします。
この時点では適度にやわらかく、同じように鋳込みで作られた持ち手と注ぎ口、茶漉しをつけ、乾燥、焼成へと進みます。多くの手間のかかる工程を経ている上に、材料の状態や気候にも左右される急須づくりはとてもデリケート。職人の細やかな技によって一つずつ丁寧に作られているんです。
実際に店舗でつかってます!
軽い、小さい、かわいい!
実際に店舗でも使っているすすむ急須2。軽くて扱いやすいのもポイントです。すすむ急須2は約200g。すすむ急須の約300gと比較してもかなり軽いですよね。この軽さも片手で使いやすい理由のひとつ。さらに、高さがある分、直径が小さめ、コンパクトなのです。
何かと物が多くなってしまうキッチン周りでも場所をとりません。小ぶりで軽いのに存在感があって可愛い。そんなところがすすむ屋クルーからの信頼も厚いんです。
実は洗いやすい!
すすむ急須は茶殻が捨てやすいように注ぎ口の反対側に切り込みを入れているのですが、すすむ急須2には切り込みはありません。洗いにくいのかな、と思われがちなのですが、そんなことはありません。円錐の形をしているので、流水で2~3回すすぎ洗いをすれば茶葉もしっかり洗い流せます。
長く使うためのお手入れ方法
毎日の洗い方
急須などの焼き物を使う際に悩むのがお手入れ方法。実はとても簡単で、余計なことは必要ありません。お湯か水で洗い、やわらかい乾いた布で水気をふき取るだけ。
茶漉しの部分に詰まってしまった茶葉はやわらかいブラシで優しくお手入れ。注ぎ口の部分も先の細いブラシで定期的に洗ってあげると、おいしいお茶を楽しめます。
気を付けたいこと
すすむ急須2は釉薬を使っていないのですが、使えば使うほど茶渋や手の油でコーティングされて深みのある黒に締まっていき、割れにくくもなります。洗剤を使ってしまうとそのコーティングを落としてしまったり、洗剤の香りを吸着してしまったりするのでおすすめできません。
ただ、どうしても汚れが気になる場合はその部分だけ洗うようにしましょう。やわらかいスポンジだけでもけっこう綺麗に落とせるんですが、洗剤を使う際は薄めて使ってくださいね。
おわりに
ペットボトルやティーバッグのおいしいお茶が普及しているので、お茶を飲む機会も多くなっているはず。手軽に飲めるお茶があると、急須でお茶を淹れることはちょっと手間に思えるかも知れないです。
ですが、急須で入れたお茶にはうま味や渋み、苦味などのお茶本来の成分がペットボトルのお茶よりも多く含まれています。のどの渇きを癒すだけではないお茶は、急須で味わえます。ぜひ、すすむ急須2でゆっくりとしたお茶の時間を楽しんでみてください。
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