【2024年版】お茶の生産量、最新ランキングTOP5をご紹介します!

産地

先日、農林水産省から、2024(令和6)年度のお茶の生産統計が発表されました。それをもとに、2024年2月末現在での最新ランキングをまとめました!

各都府県のお茶の生産量は、「荒茶(あらちゃ)」の生産量で計算されます。荒茶とは、収穫したての生の茶葉に、蒸し・揉み・乾燥加工をしたもの。小売店で販売され、私たちの手元にやって来る「仕上げ茶」になる直前の状態を言います。

2023年は、新型コロナウィルスが5類に移行したことで、経済活動が通常になり、新茶イベントなどが全国で開催することができました。また、海外での日本茶人気により輸出量が増加し、輸出額が過去最高を更新しました。

果たして、ランキングにはどのような動きがあったのでしょうか?さっそくご紹介します!

【2024年版】お茶の生産量1位…静岡県

2024年度、お茶生産量1位となったのは、静岡県でした。荒茶生産量は2万7,200トン。前年の2万8,600トンと比べると、マイナス4%となる1,400トンの減少です。

静岡県では、新茶の収穫をむかえる4月に晴天が続き、毎日お茶を摘むことができたと言います。一方で気温は低く、新芽の生育は抑えられた状態になりました。そのために茶葉が成長しきることなく、味が落ちる前に収穫でき、質の良い茶葉が生産されました。茶単価も前年より少しですが、上がっています。

静岡県といえば「やぶきた」誕生の地として知られ、長い間、日本のお茶業界をけん引してきた存在。なかでも県中西部に位置する牧之原台地(まきのはらだいち)でのお茶生産が盛んです。そのほか、深蒸し茶発祥の地としても有名ですね。

静岡県を代表するお茶銘柄

川根茶、天竜茶、玉露本山茶、玉露岡部茶、掛川茶、富士茶、朝比奈、安倍茶、清水茶、ほか

2023年は一番茶の収穫量が少なかった

お茶の木は、新しい芽や葉が出るたびに収穫できますが、冬の間だけは休眠し、成長を止めます。その間は新芽を出さずにジッとガマン。寒さをしのぐため、栄養をため込んで春にそなえます。

春が来て温かくなると、いっせいに芽吹くのですが、これが一番茶と呼ばれるもの。冬にためこんだ栄養がギッシリつまっており、一年で一番おいしい茶葉となるのです!

2023年の静岡では、4月の最低気温が低く、新芽の伸びが抑制されたため一番茶の生産量は減少しています。二番茶以降の生産量は前年並みだったため、昨年よりお茶の生産量は減少してしまいました。

【2024年版】お茶の生産量2位…鹿児島県

2024年度、お茶の生産量が2位となった鹿児島県は、荒茶生産量が2万6,100トン。静岡県との差は1,100トンの差、いままでで最も少ない差となりました。

昨年の実績である2万6700トンと比べると約2%にあたる600トンの減少です。2年続いた上昇が止まりました。

鹿児島県では広大な土地を生かし、大規模な機械生産を行っている茶農家が多いと言われます。農作業の効率化をはかっており、質がよいお茶が比較的低コストで入手できます。

しかし茶単価は前年比から約7%減少。鹿児島では温暖な気候のため新茶の収穫が早く始まりますが、茶単価が減少したために、三番茶以降の生産が抑えられ生産量の減少につながったのではと考えられています。

実は鹿児島、2023年に抹茶の原料である碾茶(てんちゃ)と和紅茶の生産量が日本一になりました。

特に碾茶の生産量は1,585トンと2位の京都970トンと比べて倍近くの生産量を記録しました。海外でも抹茶のニーズが高まっており、煎茶より碾茶の方が茶単価が多いため、碾茶をつくる農家が増えてきています。

2024年に大規模の碾茶工場が設立し、さらなる増産が期待されています。また、有機栽培にも力を入れるているなど時代のニーズに合わせたお茶づくりをしている鹿児島県は、近いうちに静岡に追いつくかもしれませんね。

鹿児島県を代表するお茶

知覧茶、霧島茶、種子島茶、大根占茶、田代茶、財部茶、さつま茶、宮之城茶、日置茶、まつもと茶、枕崎茶、かのや茶、志布志茶、有明茶、末吉茶、曽於茶ほか

【2024年版】お茶の生産量3位…三重県

三重県の2024年度の荒茶生産量は5,220トンです。2位の鹿児島と比べると、大きく差がついていることがわかります。

なお、静岡県と鹿児島県の生産量を合わせると、実に5万3,100トン。2県だけで、全国の荒茶生産量の7割を占めている計算になります。

三重県は特にかぶせ茶の生産で有名です。かぶせ茶とは、茶葉を収穫する数日前からお茶の木に覆いをかぶせ、日光をさえぎる栽培方法のこと。これにより、茶葉の中に渋味成分・カテキンが生成されず、うま味成分・テアニンが多く残ります。

数日間の遮光期間をもうけることで、うま味がタップリのかぶせ茶ができるんですね。「伊勢茶」などのブランド茶が有名です。

【2024年版】お茶の生産量4位…宮崎県

宮崎県の2024年度の荒茶生産量は2,940トンです。鹿児島県と同様、広大な地形を利用して大規模な機械農業を行っています。

宮崎県では伝統的に「釜炒り茶」の生産を続けています。日本では、収穫した茶葉を蒸して加工するのが主流ですが、釜炒り茶は茶葉を炒って加工したもの。炒り加工により、独特の炒り香が生まれます。

【2024年版】お茶の生産量5位…京都府

京都府の2024年度の荒茶生産量は2,640トン。京都といえば抹茶のイメージがあるとおり、抹茶の生産量は970トンと全国でもトップクラスの生産量です。長年日本一を記録していましたが、鹿児島に今回その座を明け渡すこととなりました。 

とはいっても、京都がつくる抹茶の品質は海外でも高い人気を誇っています!

抹茶は、かぶせ茶と同じように遮光期間をもうけるもの。蒸した後、揉まずに乾燥させ、販売直前に粉砕します。そのため、香り豊かな抹茶を楽しむことができるのです。

抹茶のほかには宇治茶などのブランド茶が有名ですね。

【2024年版】お茶の生産量ランキングTOP5まとめ

2024年度の荒茶生産量ランキングは、1位静岡県、僅差で2位は鹿児島県、3位三重県、4位宮崎県、5位京都府、となりました。

経済活動も通常通りになった2024年度のお茶業界でしたが、お茶の国内での消費量があまり伸びず、お茶の生産量は昨年より減少してしまいました。しかし、輸出額は過去最高額を記録するなど、世界にむけてのお茶づくりが始まっています。今後も茶業界の動きが楽しみですね!

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