【2022年版】お茶の生産量、最新ランキングTOP5をご紹介します!

産地

先日、農林水産省から、2021(令和3)年度のお茶の生産統計が発表されました。それをもとに、2022年2月末現在での最新ランキングをまとめました!

各都府県のお茶の生産量は、「荒茶(あらちゃ)」の生産量で計算されます。荒茶とは、収穫したての生の茶葉に、蒸し・揉み・乾燥加工をしたもの。小売店で販売され、私たちの手元にやって来る「仕上げ茶」になる直前の状態を言います。

2021年は、長引く新型コロナウィルスの流行で、新茶イベントの中止や、業務用お茶需要が減少し、日本全体のお茶生産量は15%減少しています。一方で巣ごもり需要により一般家庭向け消費量が増加したり、海外での日本茶人気により輸出量が増加しました。

果たして、ランキングにはどのような動きがあったのでしょうか?さっそくご紹介します!

【2022年版】お茶の生産量1位…静岡県

2021年度、お茶生産量1位となったのは、静岡県でした。荒茶生産量は2万9,700トン。前年の2万5,200万トンと比べると、プラス18%となる4,500トンの増加です。

静岡県では、新茶の収穫をむかえる4月に晴天が続き、毎日お茶を摘むことができたと言います。一方で気温は低く、新芽の生育は抑えられた状態になりました。そのために茶葉が成長しきることなく、味が落ちる前に収穫でき、質の良い茶葉が生産されました。茶単価も上がっています。

静岡県といえば「やぶきた」誕生の地として知られ、長い間、日本のお茶業界をけん引してきた存在。なかでも県中西部に位置する牧之原台地(まきのはらだいち)でのお茶生産が盛んです。そのほか、深蒸し茶発祥の地としても有名ですね。

静岡県を代表するお茶銘柄

川根茶、天竜茶、玉露本山茶、玉露岡部茶、掛川茶、富士茶、朝比奈、安倍茶、清水茶、ほか

2021年は一番茶の収穫量が少なかった?

お茶の木は、新しい芽や葉が出るたびに収穫できますが、冬の間だけは休眠し、成長を止めます。その間は新芽を出さずにジッとガマン。寒さをしのぐため、栄養をため込んで春にそなえます。

春が来て温かくなると、いっせいに芽吹くのですが、これが一番茶と呼ばれるもの。冬にためこんだ栄養がギッシリつまっており、一年で一番おいしい茶葉となるのです!

2021年の静岡では、コロナ禍もあって減産が続き、一番茶の生産量は減少しています。しかし一方で茶単価は上昇し、二番茶以降の生産量が伸びた用です。

【2022年版】お茶の生産量2位…鹿児島県

2021年度、お茶の生産量が2位となった鹿児島県は、荒茶生産量が2万6,500トン。静岡県とは3,200トンの差です。

昨年の実績である2万3,900トンと比べると、11%にあたる2,600トンの増加です。鹿児島では温暖な気候のため新茶の収穫が早く始まりますが、新茶の収穫が終わるころに全国的な冷え込みがあり、茶単価の上昇につながっています。

茶単価の上昇は、二番茶以降の生産にも影響を及ぼしました。鹿児島県では広大な土地を生かし、大規模な機械生産を行っている茶農家が多いと言われます。農作業の効率化をはかっており、質がよいお茶が比較的低コストで入手できます。

ところが安価なお茶を原料にする量販店にとっては、茶単価上昇が痛手になりました。2021年度の茶単価は過去10年で最も高い水準になっていると言われており、増産に踏み切りにくい環境が発生していたようです。

くわえて鹿児島県では二番茶の最盛期となる時期に梅雨が始まり、一方で静岡県では二番茶以降の茶生産が伸びました。こうした背景で静岡県との茶生産量に差が開いた形となりました。

鹿児島県を代表するお茶

知覧茶、霧島茶、種子島茶、大根占茶、田代茶、財部茶、さつま茶、宮之城茶、日置茶、まつもと茶、枕崎茶、かのや茶、志布志茶、有明茶、末吉茶、曽於茶ほか

【2022年版】お茶の生産量3位…三重県

三重県の2021年度の荒茶生産量は5,360トンです。2位の鹿児島と比べると、大きく差がついていることがわかります。

なお、静岡県と鹿児島県の生産量を合わせると、実に5万6,200トン。2県だけで、全国の荒茶生産量の7割を占めている計算になります。

三重県は特にかぶせ茶の生産で有名です。かぶせ茶とは、茶葉を収穫する数日前からお茶の木に覆いをかぶせ、日光をさえぎる栽培方法のこと。これにより、茶葉の中に渋味成分・カテキンが生成されず、うま味成分・テアニンが多く残ります。

数日間の遮光期間をもうけることで、うま味がタップリのかぶせ茶ができるんですね。「伊勢茶」などのブランド茶が有名です。

【2022年版】お茶の生産量4位…宮崎県

宮崎県の2021年度の荒茶生産量は3,050トンです。鹿児島県と同様、広大な地形を利用して大規模な機械農業を行っています。

宮崎県では伝統的に「釜炒り茶」の生産を続けています。日本では、収穫した茶葉を蒸して加工するのが主流ですが、釜炒り茶は茶葉を炒って加工したもの。炒り加工により、独特の炒り香が生まれます。

【2022年版】お茶の生産量5位…京都府

京都府の2021年度の荒茶生産量は2,450トン。京都といえば抹茶のイメージがあるとおり、抹茶の生産量は日本一です。

抹茶は、かぶせ茶と同じように遮光期間をもうけるもの。蒸した後、揉まずに乾燥させ、販売直前に粉砕します。そのため、香り豊かな抹茶を楽しむことができるのです。

抹茶のほかには宇治茶などのブランド茶が有名ですね。

【2022年版】お茶の生産量ランキングTOP5まとめ

2021年度の荒茶生産量ランキングは、1位静岡県、僅差で2位は鹿児島県、3位三重県、4位宮崎県、5位京都府、となりました。

長引くコロナ禍の影響を受けた2021年度のお茶業界でしたが、静岡県・鹿児島県の茶生産量は増加しています。農林水産省も2022年度の茶業振興に、前年度比6億円増となる20億円の予算を要求したというニュースも。今後も茶業界の動きが楽しみですね!

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