お茶と言えば静岡、と思っている人も多いかもしれませんが…実は、鹿児島のお茶も今とってもアツイんです!
鹿児島県は、静岡県に次いで荒茶の生産量が多く、年間2万8,100トンを8,410ヘクタールの茶畑で栽培しています。なお静岡県の生産量は年間3万3,400トン、作付面積は16,500ヘクタール。(いずれも2018年/平成30年度農水省統計より)なお「荒茶」とは、お茶が製品として小売される直前の状態のことで、茶葉を収獲後、美味しさを保つ荒茶加工がされたものです。
日本全国で生産されている荒茶量は86,300トンほどですので、鹿児島県および静岡県の2県だけで、7割以上を占める計算です。ちなみに抹茶で有名な京都は、お茶生産量が3,000トンほどなので、鹿児島県では京都の9倍もお茶を作っているということに…。鹿児島茶のすごさ、分かっていただけましたでしょうか!
鹿児島県の荒茶生産量は近年成長がいちじるしく、静岡県を抜いてしまう日も近いと言われます。鹿児島のお茶がホットなワケを見ていきましょう!
鹿児島茶の特徴①高品質!
お茶は日本人の生活に欠かすことのできないもの。日本全国で作られており、それぞれの地域や文化に深く根付いています。そんなお茶が一堂に会する「全国茶品評会」は、毎年夏に行われる日本茶のビックイベント。煎茶、かぶせ茶、深蒸し茶…などの8部門に分けられ、それぞれでお茶の日本一を決めます。
鹿児島茶は全国茶品評会での評価が大変高く、煎茶部門で16年連続1位を獲得!煎茶と言えば日本でもっともよく飲まれているお茶ですから、鹿児島茶の品質の高さが分かりますね。
鹿児島茶はどんな味?
日本全国のお茶の中で堂々たる一位に輝く鹿児島茶、一体どんな味がするのでしょうか?一言でいえば「ふくよか」。濃厚なうま味をたっぷりと含み、一口飲むとその美味しさにハッと驚いてしまいます!
鹿児島県は、ご存知の通り日本の南側にあります。そのため南の太陽をいっぱいに浴びて、濃い緑色でツヤツヤの葉になるんだとか。お茶の色も、濃いめの美しい緑色になります。
かごしま茶ブランドとは?
かごしま茶ブランドとは、より多くのお客様に、安心で安全な鹿児島茶をお届けするために生まれたブランドです。生産者から販売者まで、かごしま茶に携わるすべての人たちが心がけているんですよ。
たとえば、かごしま茶の生産履歴開示システムでは、生産時にどんな農薬をどの時期にどれだけ使ったか、生産者の名前、収獲・出荷された日時など、さまざまな情報がギュッとつまっています!
ほかにもいくつかの条件をクリアした高品質なお茶だけが「かごしま茶」ブランドを名乗ることができるんだとか。かごしま茶マークは、安心な美味しさの証なんですね。
鹿児島茶の特徴②品種がたくさんある!
「やぶきた」というお茶の品種は、みなさんも聞いたことがあるのではないでしょうか? 生育が早く、病気や寒さに強いので、日本全国でもっともよく栽培されています。静岡では、このやぶきたが9割を占めます。
いっぽう鹿児島で栽培されている品種は、やぶきたをはじめ「ゆたかみどり」「さえみどり」「おくみどり」「かなやみどり」…など、実に様々。それぞれに味や香り、色に特徴があり、栽培方法が違うと、さらに茶園ごとの個性が生まれます。
すすむ屋茶店イチオシ!鹿児島茶の品種紹介
個性豊かな鹿児島茶の数々。それぞれの美味しさを紹介します!ぜひお気に入りの一杯を見つけてくださいね。
さえみどり
第一印象は爽やかな緑茶らしい香り。一口飲むと、濃厚な甘みがいっぱいに広がります。すすむ屋茶店で一番人気の単一品種!
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ゆたかみどり
すすむ屋茶店では、水出し用の煎茶によく用いられる品種。コクがあるのでアイスで飲んでも緑茶のうま味を存分に堪能できます。免疫力を高めるはたらきのある「エピガロカテキン」を多く含んでいるので、夏バテしてしまった時や疲れた時に低い温度で抽出して飲むのもお勧めです。
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おくみどり
上品でくせのない甘味が特徴のおくみどり。晩生のお茶ながら根強い人気を誇るため、し烈な競争に勝ち抜いてきました。軽やかな風味はトリコになってしまうかも!
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かなやみどり
かなやみどりは、力強い大地を思わせる鮮烈な香りです。徐々に甘味を感じますが、力強い香りが最後まで残るので、好みがハッキリ分かれやすいようですね。一度ハマるとやめられなくなっちゃいます!
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鹿児島茶の特徴③コスパ優秀!
鹿児島県内の茶園の多くは平地にあります。そのため機械化が進んでおり、大量生産が可能。1戸の農家が持つ茶畑の面積も広い傾向にあります。
鹿児島茶がこんなに成長した背景には、「導入が遅かった」というウラ事情も。静岡茶が鎌倉時代に端を発するのに対し、鹿児島茶の歴史は浅く、江戸時代からと言われます。本格的に鹿児島茶のテコ入れが始まったのは1985年からですので、機械化がすんなり受け入れられたんですね。
鹿児島茶の特徴④有機栽培にいち早く着手!
日本茶の質の高さは海外でも評判で、特に有機栽培茶の人気が高まっています。日本ではコーヒーや紅茶の人気に押され気味の緑茶ですが、世界全体でみると緑茶市場はどんどん拡大しており、大きなビジネスチャンスが転がっているというワケ。
中でも鹿児島では有機JAS格付けを得ているお茶が全国でもダントツで多く、海外への輸出も増加傾向にあります。「かごしま茶」が世界ブランドになる日も遠くない!?
鹿児島茶の特徴⑤産地に特色がある!
日本一早い「大走り新茶」を収獲できる種子島、高品質で知られる知覧、知る人ぞ知る幻の大根占、紅茶でも知られる枕崎など、鹿児島茶は各産地で特色があります。メインとなるお茶の品種も違ったり、各地の気候に合わせてお茶農家が独自に工夫をこらしている様子が伝わってきます。
種子島(たねがしま)
宇宙センターで知られる種子島では、3月上旬になると新茶のシーズンがやってきます。極早生の「くりわたせ」「松寿」など、平均より早く収獲できる品種を多く栽培しており、日本一早い新茶にこだわりを持っていることがわかりますね。
種子島のお茶はほかの地域と比べると3週間も早く集荷できます。浅蒸しで仕上げ、スッキリとした上品な香りが特徴です。
大浦(おおうら)
南さつま市の大浦では4月上旬に新茶の収獲が始まります。古くから「走り新茶の里」と知られ、春に芽吹いた中でも特に若々しい芽だけを摘み取る「みる芽摘採」をしています。やわらかくてフレッシュな茶葉は、本当にデリケート!かぶせ栽培による鮮やかな濃い緑色のお茶は、さわやかな風味です。
知覧(ちらん)・頴娃(えい)・川辺(かわなべ)
4月中旬に新茶の収獲が始まる南九州市。知覧町・頴娃町・川辺町の3町は、2008年に合併して南九州市になりました。もともと、それぞれが「知覧茶」「頴娃茶」「川辺茶」と呼ばれる品質の良いお茶を生産していたこともあって、南九州市になった現在は日本一お茶生産量の多い市として知られています。
今は「知覧茶」に呼び方を統一し、鮮やかな緑色と、うま味ゆたかなお茶が評判です。全国茶品評会にも常連で、何度も金賞を受賞している実力派!ぜひお試しください♪
志布志(しぶし)・有明(ありあけ)
4月下旬にさしかかると新茶収獲が始まる志布志市や有明は、近年グングンと生産量が伸び、活発にお茶を作っています。伝統的に「玉緑茶(たまりょくちゃ)」とよばれる、丸く曲がった形状のお茶も作られており、個性の強いお茶に出会えます。
ほんのりと甘味のある香りは、さつまいものよう。とくに「ゆたかみどり」の栽培が多いです。
財部(たからべ)
森や洞窟、滝など霧島連山の大自然に恵まれた財部では、4月下旬に新茶の収獲が始まります。昼夜の寒暖差を生かし、薫り高く優しい味わいのお茶を生産しています。とくに日常茶として多くの人に親しまれています。
まとめ
鹿児島茶のすごさ、お分かりいただけましたか?とはいえ、鹿児島茶のすごさは、やはり静岡茶あってもの。静岡茶とともに、お互い競い合い、高め合いながら、どんどん美味しい日本茶を生み出してくれることでしょう!これからも2つの産地から目が離せませんね。
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