鹿児島・知覧茶の高級産地【後岳】のご紹介

産地

後岳(うしろだけ)は、南九州市の北部の地域です。知覧茶の中でも高級品として名高い「後岳」は、霧の多い山間部で、平家の落人が開墾した隠れ里だと言われています。

後岳は比較的冷涼な気候ですが、一年中温暖な南九州市にふくまれており、日照時間に恵まれています。霧ができるほどの寒暖差を生かした知覧茶は、味よし・香よし・色よしとして評判です。後岳の魅力を余すことなくお伝えします!

高級品と言われる後岳の知覧茶とは?

後岳の知覧茶は、香りが豊かで、コクがあってうま味たっぷり。さらにバランスよくまろやかな渋味を兼ね備えています。口にふくむと、さわやかさ、甘味、コク、うま味、苦味…さまざまな風味が一気に押し寄せ、どんなお茶とも違う味わい深さを感じます。

色んな味わいをたくさん持っており、入れ方や温度によっても味が変わってくる繊細さは、まさに後岳の知覧茶が高級品と呼ばれるゆえんです。さらに後岳の知覧茶は希少性が高く、「幻の高級茶」と呼ばれることも。

後岳では比較的小規模な知覧茶農家が点在しており、それぞれが手を取り合って共同経営をしています。山あいの傾斜面で生産しているので、大規模な機械を導入するのが難しく、ひとつひとつ手摘みで茶葉を収獲している農家も。

後岳ではできるだけ有機肥料にこだわり、安心して美味しく飲めるお茶づくりにはげんでいるんだとか。後岳の人たちが丹精込めて育てているから、幻の高級知覧茶と呼ばれるんですね。

後岳の知覧茶の品種

後岳で栽培されている知覧茶は「やぶきた」や「あさつゆ」が多くを占めています。

やぶきたは日本で最も多く栽培されている品種で、優雅な芳香やバランスのよい渋味から、高級品の代名詞として知られています。皇室献上品の多くがやぶきた種のお茶なんですよ。

あさつゆは天然玉露とも呼ばれるうま味タップリの品種。いずれも高級品としてふさわしい品種ですね。

後岳ってどんなところ?

後岳では、山のふもとの斜面にそって階段状に茶畑が形成されており、整然として美しい光景は「棚畑(たなばた)」と呼ばれています。後岳の棚畑といえば、蕎麦(そば)も有名。手打ちそば体験ができる観光スポットは特に人気が高いんだとか。

後岳はじめ南九州市には武家屋敷や庭園、薩摩英国館など、江戸時代前後に建築された史跡が数多く残っています。壮麗な街並みは「薩摩の小京都」と呼ばれ、大河ドラマや時代劇のロケ地としてもおなじみ。

手摘みの収獲や江戸時代の街並みを見たら、幕末にタイムスリップしたような気分を味わえそうですね。

後岳の歴史

平安時代に一世を風靡した平家一族は、相対する源氏に滅ぼされ、1185年壇ノ浦の戦いを最後に歴史の表舞台から姿を消してしまいます。壇ノ浦とは現在の山口県下関市で、本州の最西端に位置します。

そこから平家の落ち武者が九州にわたり、そのころから茶栽培が始まった…と伝わる後岳。幻の知覧茶は、そんな歴史と伝統をひっそりと受け継いできたのかもしれませんね。

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