大福茶(おおふくちゃ、おおぶくちゃ)をご存知ですか?大福茶とは、12月になるとお茶屋さんや百貨店に並び始めるお茶。
赤いパッケージになっていたりして、なんともおめでたい雰囲気を醸し出しています。見たことがある方もいるのでは。
この大福茶とはいったい何なのか?詳しく調べました!
大福茶とは?
大福茶とは、お正月に飲む縁起の良いお茶のこと。大福茶の名前には「人々に幸福をもたらすお茶」という意味があります。単に「福茶」とだけ言うことも。
京都を中心に古くから伝わる慣習で、梅干しと結び昆布に煎茶を注いで飲みます。おせち料理やお雑煮、年越しそばのような存在ですね。
地域によっては山椒や黒豆が入っていることも。節分には福豆(大豆)を加えて飲むこともあります。
大福茶に使う「若水」とは?
若水(わかみず)とは、元日の朝に初めて汲んだ水のこと。また、それを神棚に備えることを言います。
若水は邪気を払うといわれ、神棚に備えた後に若水で食事を作ったり、お茶を立てたりしたんだとか。水を汲むのは年男の役目としたり、女性が触ってはならない、とする地域もあるそうです。
大福茶を入れるときは、ぜひ若水を使ってみてくださいね!きっと一年間の邪気を払ってくれることでしょう。
大福茶の歴史
大福茶が生まれたのは平安時代。疫病が流行していた京の都で、空也上人(くうやしょうにん)が観音像を彫り、人力車に乗せてほうぼうを歩き回った、という言い伝えがあります。
空也上人といえば、「南無阿弥陀仏」と唱える念仏を最初に始めたと言われる人物。六波羅蜜寺にある「木造空也上人立像」でも知られます。口から6体の阿弥陀像を吐き出しており、「南無阿弥陀仏」を唱える様子が表現されているのだとか。
空也上人は病気の人々にお茶を振る舞い、それによって多くの病人が回復しました。当時の村上天皇もこれにあやかり、元日になると六波羅蜜寺のお茶を飲むようになります。これをきっかけとして、元日にお茶を飲む習慣が広まりました。
はじめは「天皇が飲むお茶」ということで「皇服茶」と呼ばれていたんだとか。やがて「人々に幸福をもたらすお茶」という意味に代わり、現在のように「大福茶」となります。
六波羅蜜寺(ろくはらみつじ)とは?
六波羅蜜寺は、空也上人が創建し、活動の拠点としていた寺院です。
空也上人が疫病を鎮めるために彫った十一面観音像をご本尊にしており、国宝に指定された現在では12年に一度ご開帳になります。
平安末期になると平家武将が阿弥陀堂を建立したことから、平家とのつながりを深めます。平家崩壊にともなって関連寺院はことごとく炎上しますが、本尊だけは消失を免れました。
のちに鎌倉幕府により六波羅探題が置かれ、豊臣秀吉の治世には本堂の修理が行われるなど、たびたび手を加えられながら現在にいたります。聞きなれませんが「六波羅蜜」とは、悟りに至るための「6つの修行メニュー」のことを指しています。
大福茶の入れ方
大福茶は年末年始に楽しむちょっぴり贅沢なお茶。ぜひぜひ大福茶をお求めいただきたいですが、自宅にあるお茶でもOKです。わざわざ買わないとダメ、というものでもありませんので、気軽に楽しんでみましょう♪
用意するものは、お茶、梅干し、結び昆布。お茶は煎茶に限らず、玄米茶、ほうじ茶、なんでもOKです。
大福茶を買うと、乾燥梅や結び昆布がついていることもありますが、ご家庭にある大きめの梅干しでも大丈夫。小梅でもOKですよ。
結び昆布は、だし用の乾燥昆布でも作れます。濡らしたキッチンペーパーなどで乾燥昆布を包んでおくと柔らかくなって、結びやすいですよ♪
湯のみに梅干し、結び昆布を入れたら、急須のお茶を注ぎます。とってもカンタンですね!
大福茶には花びら餅?
六波羅蜜寺はじめ、京都では大福茶には花びら餅、が定番なのだとか。
花びら餅といえば、やわらかい求肥を薄く延ばし、中に紅菱餅、白みそ餡、ごぼうを挟んだ和菓子です。白い求肥に赤い色がうっすらと透けて、ゴボウがチラリと顔を出していますね。
もとは歯固めの儀式に使われていたおせち料理だっため、今もその名残でゴボウが入っています。宮中にだけ伝わる秘伝のお菓子でしたが、明治時代に裏千家茶道が初釜で使う許可を得て以来、新年のお菓子として日本中に知られるようになりました。
初釜(はつかま、はつがま)とは、年初めの茶会のこと。年初めのお菓子に、年初めの大福茶。これ以上ない組み合わせですね。
すすむ屋茶店「大福茶」
すすむ屋茶店の大福茶は、鹿児島産の煎茶と、熊本産の手炒り玄米を組み合わせた玄米茶!玄米は食べ物、お茶は飲み物ですので、「食べ物・飲み物に困らないように」という願いが込められています。
保存にもよい缶入りや、帰省の手土産にピッタリな小包俵型、手軽に楽しむティーバッグなど、さまざまなタイプからお選びいただけます。箱入りのギフト包装もありますよ♪
お正月料理やコタツでみかんのお供に…ぜひお楽しみください♪
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