玉露とは?煎茶やかぶせ茶の違いや入れ方までご紹介します

お茶の種類

玉露(ぎょくろ)とはどんなお茶か、知っていますか?高価なお茶、というイメージがある方もいるのではないでしょうか。

煎茶と玉露が大きく違う点は、栽培方法の違いです。玉露とよく似た栽培方法のお茶にかぶせ茶もあります。玉露、煎茶、かぶせ茶の違いを見てみましょう!それぞれの美味しい入れ方もご紹介します。

玉露とは

玉露、煎茶、かぶせ茶、いずれもチャノキという樹の葉を原料としています。チャノキを栽培するときに、日光をタップリ浴びさせるのが煎茶で、玉露やかぶせ茶は、日光をさえぎって栽培しています。

玉露は、新芽が出始めたら日光を遮断します。約3週間程度の遮光期間ののち、収獲となります。遮光率は70%以上で、分厚い黒い布をかけてチャノキを覆うイメージです。ヨシズやワラなどで茶園全体を覆うことも。覆う布を何枚も重ねることもあります。

かぶせ茶は、遮光期間が7~10日間と短く、遮光率も低めです。薄暗い状態をたもつイメージです。

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日光をさえぎるとどうなるの?

植物の葉は、日光を浴びると光合成を行います。チャノキの葉では、光合成によりカテキンが生成されていますが、カテキンは渋味成分。体によい成分として知られますが、カテキンが多いと渋いお茶になってしまいます。

日光をさえぎると、カテキンが生成されず、テアニンが多く残存します。テアニンとはお茶のうま味成分。テアニンを多くふくむお茶は渋味が少なく、深いコクを感じます。

玉露やかぶせ茶に煎茶よりもうま味を多く感じるのは、カテキンが少なく、テアニンが多いからなんですね。

また、日光をさえぎることで、茶葉の緑色が濃くなるんだとか。たしかに玉露やかぶせ茶は鮮やかな緑色をしていますね。

日光の遮断と味わいの変化

煎茶は日光を遮断せず、カテキンを多くふくみます。バランスの取れた渋味とスッキリとしたキレの良さが特徴ですね。日本茶の8割以上は煎茶として生産・販売されています。

日光を約3週間さえぎる玉露は、甘味・コクのある味わいです。日光をさえぎることで生まれる「覆い香(おおいか)」があります。青のりのような香りと表現されることが多いです。

かぶせ茶は7~10日間の遮光期間があります。覆い香もあり、煎茶のようなスッキリとした渋味も併せ持っている「いいとこ取り」のお茶です。

玉露の美味しい入れ方

玉露を入れるときは、低温のお湯でじっくりとうま味成分を引き出すのがおすすめです。熱いお湯を使うと雑味が出やすくなってしまいます。60度前後のお湯を使いましょう。

まずは新鮮な水道水をきちんと沸騰させます。ボコボコと泡が出るくらいまで温度を上げると、カルキ抜きができますよ。

なお、ミネラルウォーターを使うときは、国産の軟水を選ぶのがおすすめです。外国産のミネラルウォーターは硬水が多く、渋味が出やすく、苦味が出にくいことがあります。

沸騰したばかりではお湯の温度が高すぎるので、湯のみ・急須を温めるのに使います。ひとつ容器を移すごとに10度温度が下がると思ってください。沸騰したばかりのお湯が100度とすると、湯のみが3つ+急須があれば、60度前後のお湯を用意できます。

急須に茶葉を入れ、湯冷まししたお湯を注ぎます。勢いよくドボドボとお湯をかけるのではなく、やさしく注ぐのがベスト。フタをして2分蒸らします。

湯のみに少しずつ回しつぎして、最後の1滴までしぼりきりましょう。

玉露の歴史とは

玉露ができる以前、日本茶といえば、現在でいう抹茶のような飲み方が主流でした。抹茶の原料は碾茶(てんちゃ)といって、玉露・かぶせ茶同様に日光をさえぎって栽培します。

しかし当時、抹茶は高級品で、庶民の手に届くものではありませんでした。庶民は質の悪い茶葉を煎じ、煮汁を飲んでいたんだそう。

江戸中期に入ると煎茶の製法が進化し、現在の煎茶・緑茶とほぼ同等のものが生まれます。煎茶が日本各地に広まるにつれ、煎茶も改良を重ねられ、碾茶の製法を応用する試みが始まりました。

これにより、うま味・甘味が強く、緑色が濃い茶葉をつくることに成功したのが山本嘉兵衛(やまもとかへえ)。現在の株式会社山本山の創業者にあたります。

当時は煎茶や紙類の販売を取り扱う店を江戸に開いており、その技術を生かして板海苔を発明したのだとか!

碾茶の栽培方法を応用した煎茶の茶葉を嘉兵衛が揉んでいると、茶葉が玉のように丸くまとまり、甘露のような甘味があるお茶だった……ということから「玉露」の名がつきました。

玉露のカフェイン量は心配いらないの?

玉露にはカフェインが多いと言われます。たしかに煎茶やほうじ茶、紅茶やコーヒーなどと比べても、玉露のカフェイン含有量は高め。

カフェインは集中力アップ、代謝促進など、体にいい作用をもたらしますが、反面、取りすぎると眠れなくなる場合も。体質によりカフェインが効きやすく、体に合わない、という方もいるでしょう。

しかし玉露のカフェインはテアニンにより緩和されてしまいます。テアニンとは玉露やかぶせ茶に多くふくまれるうま味成分。日光を幾重にもさえぎって栽培する玉露は、テアニンが多く、カフェインの作用が強く出ないと考えられています。

玉露はなぜ高い?

日常的に煎茶を飲んでいる方なら、玉露の値段に驚かれることもあると思います。玉露の値段が高いのは、日光をさえぎる期間が長く、手間がかかっているからです。

そして、玉露が高い理由はもう一つ、希少性です。玉露の生産量は全国で200トン強。いっぽう煎茶の生産量は40,000トン強と、1%にも満たないことがわかります。

玉露は手間がかかるので、生産者も敬遠しがち。三大産地と言われる京都宇治・福岡八女・静岡岡部はじめ、昔から伝統的に玉露を作っているところばかりです。なかなか、お目にかかることも珍しいお茶と言えるかもしれませんね。

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